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お豆3兄弟

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今回は豆のお話です。
巷で話題になっているトイストーリー3がいよいよ公開です。僕は1・2ともDVDで見ましたが、非常に楽しませてもらいました。
大人も子供も楽しめるとはよく言われますが、ディズニー映画はその最たるものですね!
劇場版にはなかったそうですが、DVDには特典としてNGシーンが収録されていました。
アニメなのにNGシーンをつくるなんて、すごい発想です。
お客様を楽しませたり喜ばせたりすることを目的とする、という観点では僕も同じ立場なので、そういった発想を見習っていきたいです。
そのためにはもっとお客様とコミュニケーションをとらなければと常々感じています。
会話でお客様を楽しませることはまだまだ出来ませんが、料理を感想などを少しでも伺えたら、それはこれからの料理にすごく参考になります。
ただ、楽しそうな会話の中に入っていくのはとても勇気がいります。
話を途切れさせては迷惑だろうなぁ…とか考えてしまうと、どうしても足が進みません。大したことではないのでしょうけれど、気にしぃの僕にはなかなか…。けれども感想を聞かずしてさらに料理がどうだったのか気になるという悪循環に見舞われます。
でも、ヨシっ!思い立ったら、やらないと。今月の目標はお客様が席を発つ前にお客様の元へ参りますよー!
僕が考えている料理の方向とお客様が感じてらっしゃる方向が合致しないと喜びなんて殊の外、満足すらしていただけないですから。

ちなみに今回の豆の話も(やっと本題が始まります)僕の料理の方向性のお話なんです。

上の写真の豆は、左上がさやえんどう(キヌサヤ)、右上がスナップえんどう、下がいんげん(三度豆)です。
料理の基本としては青いものはより青く色鮮やかにというところでしょうが、僕は必ずしもそうはしません。色が多少悪くなっても構わないので、僕が美味しいと感じるところまで火を入れます。もちろん火を入れ過ぎると色や食感が変わります。しかしそれは美味しくなくなるということではありません。
今、ポカでお出ししている25品目のオードブルに登場する上記の3種類の豆は全てボイル(塩茹で、つまり塩味を感じるくらいの塩を入れたお湯で湯がく)します。
しかしそれぞれボイルの仕方が違います。
キヌサヤは沸いたお湯に入れると一瞬にして鮮やかな緑を発色します。時間にして5〜15秒といったところです。
その間に冷水につけてやるのが1番綺麗な色に仕上がります。
しかしそれでは青臭さや苦みが残ってしまうように僕は感じます。僕は最低その倍、30〜40秒は茹でます。そうすると待ってましたと言わんばかりに甘味が出てきます。但し食べたときのシャキシャキ感はずいぶん減り、少しホックリします。このあたりが料理人の考え方の違いが顕著に出る部分だと思います。

次にスナップえんどうですが、これは料理人なら誰しも同じ火入れ具合だと思います。ただ僕はこの豆を茹でるときは、かなりお湯の塩分を増やします。
スナップえんどうはもともと甘味の強い豆ですが、その甘味をさらに引き立たせるためにお湯の塩分を強くします。甘くするために塩辛くなんて、なんだか矛盾しているようですがわかりやすく言うなれば、ぜんざいと塩昆布のような関係です。
茹でる時間もキヌサヤと同じくらいでしょうか。もしかしたらこれも人よりは長いかもしれません。

最後にいんげんですが、これが1番差の出るところです。
じっくり時間をかけて茹でます。もちろん色が綺麗ではなくなります。少し黒ずんだ茶色の手前まで茹でます。これもシャキシャキ感はなくなりますが弾力が出てきます。よくよく考えてみるとごま和えなんかで感じるクニュックニュッていうあの食感ですね。
やはり育った土地の食べ方に影響されたいるのでしょうか?僕らは幼い頃から豆類は煮炊きものとして食卓に並ぶことがほとんどでしたから。それを僕自身の料理にフィードバックさせているんでしょうね。
たかが豆。されど豆。
ひとつひとつ調理法をマメに考えていかないとね!
by pocafrere | 2010-05-06 23:29 | シェフのひとりごと
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